「さむいなあ」
「さむいさねえ」
「そろそろマフラー欲しいなあ」
「そうさねえ」
「・・・去年のマフラー、何処にしまったっけ?」
「あー・・・。・・・部屋のクローゼットの右側一番奥のダンボールの中。」
「ふふ、さっすがラビだ」
オレのすばらしい記憶力の使い方、間違ってるさ。そんなことないよ、これで部屋が散らからなくてすむじゃない。
そんなやりとりをしながら、教団の寒々しい廊下をの部屋へと向って歩いていた。そんな中、寒いねえ、なんて言葉をが何度も言うから、刹那に触れた手を捕まえてギュ、と握り締めた。の手は柔らかいけれど、細くて冷たい。
もともとオレだってそんなに高体温じゃないから、少しくらい握ったところで物凄くあったかい、なんて思われることもなくて。
「・・・。ねえ、手袋は、何処にしまったかな?」
「・・・、マフラーと一緒に入れてたさ」
「そっか。ありがとう」
ニコリと笑ってオレを見るに笑い返しながら、手を、指を絡めるような繋ぎ方に組み替えた。
「だけど、手袋は使わなくても良いと思うさ」
「・・・。何で?」
「がオレと、手、繋げなくなるから。
」
「・・・手袋越しじゃ、ダメですか?」
「オレと素手で手を繋ぐのは嫌ですか?」
・・・そうだなあ。
が白い息と一緒に吐き出した言葉は微笑みを帯びていて、微かにオレの胸のあたりがくすぐったくなる。きっと、というかもう絶対、は手袋は出さないし、使わないでくれるだろう。
「でもラビが居ないときは、どうすればいいのかな?」
「ああ、そんときは・・・」
「うん」
「オレを呼べばいいんじゃない?」
「呼んでも来れない場所にいたら?」
「来れない場所なんてないさ」
「そうかな」
「そうさ」
「ラビがそう言うなら、そうかもね」
「ん」
じゃあ、冬の間はお世話になります。そう言ってはオレの手の甲に軽いキスを落とした。
・・・これって、色々逆だと思うんだけど。
ん、んー、でも、案外嬉しいかもしれない。
「なあ」
「なあに?」
「冬の間だけで、いいんさ?」
オレとしては1年通してずっとでも、いいさ。むしろソレの方がいいな。
耳元でひっそりと囁いたあと、の髪に、こめかみに、頬にキスをした。唇にキスをした後に、返事をちょうだい。
かじかむ指とそまる頬
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