≫07/07 22:00 Lavi 雨の後で。











「何、どしたん?」

「・・・」





今の自分の機嫌の悪そうな不細工な顔をラビに見せたくなくて、ベッドの上で枕に顔を押し付けた。顔がどうこうよりも、既にこの行動が可愛くない不細工だとわかっていながらも体は鉛のように重たくてピクリとも動こうとは思えない。私の幼児退行したこの行動に怒ることもせず、彼はただゆるゆると私の頭を撫でて笑った。





「外が雨なのが気に入らないんさ?」

「!」

「ビンゴ?」





唐突に核心を突いてくるラビの言葉に枕を握っていた手が動いてしまった。それを見逃さなかったらしいラビはまた愉快そうに笑う。ラビの笑い方は可愛いし面白いから好きだ。別に私を笑っているラビに怒る気持ちは全く無い。ラビの言った通り、外が雨なのがたまらなく悔しかった。天気なんてどうにもならないのに、それを受け流すことができない自分がまた更に悔しくさせた。





「今日七夕なんだってな?コムイが食堂に竹と短冊持ってきてたさ。」

「・・・。」

「短冊って願い事書くんしょ?はもう書いたん?」





なあ?そうもう一度問いかけてくるラビにゆっくりと首を横に振った。瞬間、脇に手を入れられて仰向けにひっくり返され、挙句起き上がらせられてラビと目が合う。笑ってる、彼は笑ってるのに私の顔は怒ってる。ラビに対して怒っているわけじゃないからこんな顔少しも見せたくないのに。外の雨も自分自身の不細工な顔も幼稚な行動も大嫌いだ。居た堪れなくなってラビから顔を背けると即座に両頬を手で挟まれて元に戻され、正直驚いて眼を見開いた。





「怒ってても良いからちゃんとオレ見てるさー」

「・・・、・・」





何も言わずただ黙って言われたとおりジっとラビを見ていたのがいけなかったのか、そのまま顔を近づけられて唇を合わされた。でも一文字にかたく閉じられたままの私の口はラビのキスに応えることはしなくて、ラビはそれに笑って直ぐに唇を離した。





「あんまりジっと見るからちゅーしたくなったのにそれはないさー」

「・・・・・・」

「ま、いっけどね。(はムっとしてる顔も可愛いし)」





何となく笑われた私の方が気恥ずかった。けれどラビは直ぐにいつもの緩い笑い顔でさらりと流して、そういえばオレさっきから1人で喋ってる?なんて再確認してきて、ラビのこのゆるい雰囲気には思わず口が綻びそうになる。けれど変な意地で不機嫌な状態を保っている私はそっぽを向くことでそれを紛らわした。そしてその目先には窓があり、暗い外に満遍なく降り注ぐ雨が見えて、思わず眉間に力が入る。





「・・、大丈夫さ。夜中には晴れるって。」

「・・・ほんと?」

「(あ、喋った。)うん。」

「何でわかるの?」

「だってオレ(木判使えるし・・、っていうのはロマンが無いか?)」


オレ、そこで区切った後に暫くそのまま何か考えるように動きを止めて、ラビはこう続けた。


「だってオレの言うことって大抵当たるじゃん」





笑いながら冗談ぽくそう言った彼に、本当なら信憑性も何も無いその言葉を信じるはずもないのに、私は変なところで彼の言葉を信じてしまって思わずつられて笑ってしまった。何ソレ。そう彼に返して笑う。一度笑い始めるとさっきまでムっとしていた為の反動か中々笑いを止めることができない。





「(じゃあ当たらなかったら?)」





どうしてくれる?お詫びに何かしてくれる?そう聞くのはなんとなく可愛くない気がして、じゃあラビの言葉を信じて待ってる、そう返した。そうしたら彼は嬉しそうに目元を綻ばせて、絶対晴れるから、そう返して私に再度唇を合わせた。大丈夫、今度はちゃんと私からもしてあげられる、さっきはごめんね。大好きだよラビ。





「でさ、たまに子どもっぽくなんだけど、それがまたもうすっげー可愛くてー」

「はあ」

「マジいっぱい抱きしめてキスしてやりたくなるんさ、
 あいつやばい、マジ可愛いんさー!オレのツボ突きまくり!」

「はあ、そうなんですか(惚気話とか他でやってくれないかな)」





















(07/07/07) (閉じる)