08/10 Happy Birthday dear Lavi 






Everybody loves Lavi (:
Thanks : Photo * Title


ラビくん誕生日おめでとう!な文章の筈ですが少し違うところもあったり。ラビくんが総受けな感じです。誰とも恋人関係やらの設定はありません。苦手な方はご注意下さい。ちなみに上から08/10当日の早朝〜深夜へと時間が流れてくような設定です。


あったかいひだりて (リナリー)
いちばんぼしみつけた ()
しょうしんをぬりつぶす (アレン)
てれながらさとったこと (ユウ)
るいせんはつよいはずだった (オール)









































ったかい左手  リナリーとラビ  08/10 06:00


 錆びの浮く重たい扉を開けて室内に入ると埃と紙の匂いが肺を満たした。此処は教団の資料室。背後の扉が静かに閉まるのと、私が窓に歩み寄るのとはほぼと同時だった。いつもは室内全体が分厚い遮光カーテンで作られた闇に覆われているのに、今日は向こう半分側だけ朝日を煌々と浴びて赤白く照らされている。閉め忘れか既に誰か来ているのか、どちらにせよカーテンを全て開けてしまおう。


「リナリー・・・さ?おはよう」
「おはよう、ラビが来てたのね」


カーテンに手を掛けたところで後ろから聞こえた声に振り返ると、若干まだ眠そうな顔で此方を見て笑うラビがいた。赤白い朝日を浴びても尚、彼の髪は鮮やかな色で思わずそっちに目を細めてしまう。
 ラビは読書用の机の上に上半身をだらりと置いて、隣にある本のページをパラパラと指先で弄ぶ。そんな彼を横目にカーテンを端まで持っていき纏め、紐で括る。


「昨日は此処で寝たの?」
「んー、そんなかんじ?」
「ちゃんとベッドで寝ないと駄目よ」
「うんー、サンキュ。」


 私がそう告げている先から、自分の腕枕で眠りにつきそうなラビに無意識に口元が綻んでしまう。夜通しで本を読んでも次の日の昼間は必ずちゃんと起きている人だから不要な心配なんだろうけれど、教団にいる時くらいはきちんとベッドで寝て欲しいのが正直なところ。
 そんなことを考えながら、兄さんから頼まれた資料を探しに棚の間を歩き回っていると、また室内は静寂に戻ってしまった。窓ガラス越しに聞こえる鳥の声すら静寂を煽るだけ。


――。


右手いっぱいになった資料の山、今科学班で使うには多分これで用が足りるはずだ。本の背表紙を眺めて確認し、そろそろ戻ろうかという時にラビのことを思い出す。彼もブックマンの後継者、夜通しで頑張り疲れて眠るところを邪魔したくは無いけれど、やはり此処では充分に休むことは出来ないと思うから。
 資料を探している間に随分室内の奥に飲み込まれてしまって居たようで、そこを逆戻りしながらラビのもとへと向う。


「・・・」


自分の腕に頭を置き、微かな呼吸をして気持ち良さそうに眠るラビに思わず目を奪われてしまう。陽の当たり方は時間が経つにつれ優しく周囲に馴染み、ラビに対しても同じだった。
 白い陽に光を染み込ませた赤と橙の中間の髪はきらきらと微かに光を反射して顔の輪郭を縁取り、いつもは深い翠を湛える瞳は柔らかそうな瞼と睫毛に覆われて彼が安眠していることを物語っている。
 愛しい愛しい大切な人。たとえ何時か彼が教団を離れる日が来ても、こうして今此処に彼が居ることから繋がり、これから先ずっと私の大切な世界の一部の人。


「ラビ、此処で寝ちゃだめよ」


 自分でも知らない間に少しだけ耽っていた様で、自然と緩んだ口元や目元に人知れず恥ずかしさを感じる。それを掃う様にラビに声をかけても彼が起きる気配は無い。触れるには少々勇気が要ったけれど、触れてしまえば後は容易い。
 何度か肩を揺さ振るとゆっくりと瞼を上げて私を見てくる緑の瞳に笑みが零れる。おはよう、寝るなら部屋に移動しないと。そう声をかけると彼は笑って応え、小さく欠伸をした。


「えらいね、ラビ」


 仮にも年上の男性相手に、だけれど、私にとっては素直な気持ちだから。
 昨夜もその前も、彼なりに頑張ってきたであろう、そんな彼に、誉め称え労う意を込めてゆっくりとその髪を撫でた。






(リナリーはマリアのようだと思うわけです。)







































番星見つけた  とラビ  08/10 10:00


 太い柱の合間から望む外界は大半が空で青い。その中に白く淡く浮かぶ昼間の月に気をとられて廊下のど真ん中にも関らず脚を止めてしまった。午前も半ばを過ぎて肌を包む空気は適度に温かく、なんとも気持ちがいい。
 ぼんやりしていたところへ近づいてくる足音に、無意識に振り返れば手帳か何かを覗き込みながら歩いてくるラビ。


「おはよう、ラビ」
「ん? ああ、おはよう


手帳から顔を上げ、私の顔を見て笑んだラビにつられて笑い返す。